2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧
いつからか続けておりました直訳シリーズも、年内で打ち止めすることに相成(あいな)りました。 最後は私の好きな「ちょい怖」雨月物語より。 江戸時代の1700年代に上田秋成が書いています。 どのお話にしようかと迷っていましたが、徒然草で「浅茅が宿」…
長らく出番を待っていた重箱(じゅうばこ)が初めて役立つことになりました。 昨日は、朝から黒豆を味付けして沸騰させた汁につけておき、昼から炊き出しました。 何度か差し水しながら灰汁(あく)を取り、その後弱火で6時間。 黒くなるように鉄玉子を入れ…。 …
万(よろづ)の事も、初め終(はじめをはり)こそをかしけれ。 何事につけても、初めや終わりがおもしろいものだ。 男女(おとこおんな)の情(なさけ)も、ひとへに逢ひ見るをばいふものかは。 男と女の情愛も、ひたすらに顔を合わせることだけを言うのではない。 …
非力は「ひりき」と言いますね。 先日、なぜか「微力ですが…」と話す時に、「びりきですが…」と口が滑りました。 聞きなれている言葉なのに、「力」が「りき」とその時くっついたんですね。 音読みには呉音と漢音があります。 呉音の方が先に日本に伝わって…
花はさかりに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは。 花は盛りの時に、月は陰りがないものだけが見る価値があるものだろうか。 雨にむかひて月をこひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほ哀(あはれ)に情(なさけ)ふかし。 雨の中、月を恋しく思い、すだれを掛…
ダイコンの葉っぱ、ほんとおいしい。 始めは、湯がいて、ごま油で炒め、かつお節とみりんとしょう油で味付けしたものにはまっていました。 最近は、湯がいておけば、スープ、味噌汁、焼き飯、煮物にも、と大活躍です。 先日も実家からほんとに立派なダイコン…
1330年ごろ兼好によって成立した随筆集。 243段の内、処世訓が約30%、故実が25%、趣味が10%を占め、無常を強調したり出家や閑居を勧めた段も8%に上るということである。 そうかといって、厭世観はなく、本能を肯定し人間に理解を示してい…
クリスマスはいつからか、同じ料理。 リッツクラッカーの上に生クリームとフルーツを飾ったオードブル、生ハム、ローストチキン、 そして、いつも名前を忘れてしまうミートローフ。 我が家のミートローフのレシピをご紹介。 1.ウズラ卵を湯がいて、殻(から…
年末の大掃除、いつの頃からか、12月の初めからちょっとずつするようになった。 そのうち、11月から始めるように。 仕事を始めたら、なぜか9月がお休みだったので、大掃除は9月に移転。 始めてみると、網戸の掃除も換気扇の掃除も、カーテンの洗濯も、…
この日記をつけた阿仏尼(あぶつに)はなぜ鎌倉へと出発したのか。 為家には先に妻があり、3人の息子がいました。 出家した後に阿仏尼と知り合い、妻となり、2人の息子を持ちます。 そのあたりが奥付きとして日記の末尾に書かれています。 このあぶつばうと…
マウントクックに行く際にハーミテージホテルに立ち寄りました。 休憩してお土産を見るだけだったのですが、ここに泊まりたかったなぁというのが、その時の感想です。 山小屋風だけど、中の施設は良く、目の前に広がる景色のすばらしいこと。 帰りに飛行機に…
こよひは鏡といふ所に着くべしと定めつれど、暮れはてゝ行き着かず。守山といふ所にとゞまりぬ。こゝにも、時雨なほ慕ひ来にけり。 今晩は中山道(なかせんどう)を行くと大篠原からちょっと行った所にある(蒲生郡竜王町の)鏡という所に着こうと決めていたけれ…
前にもお話したことありますが、行事ごとが好きです。 冬至には柚子(ゆず)をぷかぷか浮かべて柚子湯に入り、かぼちゃを一応食べます。 ところが、今年は冬至の日に次男が風邪をひきました。 神経性胃炎というやつです。 平(ひら)たく言うと、ノロウィルスと…
粟田口(あはたくち)といふ所より、車は返しつ。ほどなく逢坂(あふさか)の関越ゆるほども、 (京都から大津への出口である)京都市東山区粟田口という所から、車は返した。少しして(大津市の南にある)逢坂の関所を越える時も、 さだめなき命は知らぬ旅なれ…
今年もやってきました。 サンタさん。 ツリーの下にプレゼント 娘はお手紙でお願いしていた「かなえてチャーム」、 お兄ちゃんたちは箱に詰め込まれた各種ポテトチップス詰め合わせ。 来てくれて、よかったね。 次男は箱を娘に持ってきてもらって喜んでいた…
直実は、目の前まっくら、分別も失い、前後もわからず、とうとう討ち取ります。 そして、腰に差した錦(にしき)の袋に入った笛を見つけることになります。 直実「あはれ、弓矢取る身ほど口惜しかりけるものはなし。武芸の家に生まれずは、何とてかかる憂き目…
「私はのんびり本が読みたいのよ。」 どうぞどうぞ、たくさん読んでください。 「俺は忙しいだよ。」 この冬休み、最後の追い込みを見せるぜ。 (なんて、本人言ってません。 代わりにかっこつけてみました。) 「もうちょっとで受験だ。」 君が受けるのは 再…
駅の階段を下りる時はいつも手をつないでいたのだけど、最近はなんか嫌がる。 まぁ、そうかもしれない。 でも、急な階段を手すりには手が届かない位置で駆け下りるのを見てると、怖くてしょうがない。 「そんなんしてたら、落ちるで。」 「大丈夫。小さい子…
直実「あっぱれ、大将軍や。この人一人討ちたてまつたりとも、負くべき戦に勝つべきやうもなし。また討ちたてまつらずとも、勝つべき戦に負くることもよもあらじ。 ああ、大将軍だ。この人を一人お討ち申し上げたとしても、負けるはずの戦いに(平家が)勝てる…
今年のクリスマスケーキはとうとう娘が一人で作ってしまいました。 昨年までは、手伝いながら、一緒にしていましたが、今年は私が細巻き寿司にかかりっきり。 とうとうスポンジの生地作りから、フルーツのカットや生クリームの泡立てまで、なんやかやと慌し…
先日、長男は歌舞伎(かぶき)を見てきました。 その時の演目が『敦盛の最後』だったそうです。 私も見てみたい。 今回は熊谷次郎直実(くまがへじらうなほざね)と敦盛(あつもり)の会話文だけを抜き出して、読んでみましょう。 直実「平家の君達(きんだち)助…
最近、年賀状も家庭のパソコンできれいに印刷できるようになり、楽になりました。 でも、ちょっとこだわりがあって、住所とお名前は手書きで書くようにしています。 (自分ちの住所をはがき裏に印刷してあるだけで、随分楽ですよね。) 書きながら、どうしてい…
クライストチャーチからのオプショナルツアーで、マウントクック観光に行きました。 その途中、牧場(ファーム、farm)に寄って、休憩する時間があったのです。 天気が良かったこともあり、なんともいい気持ち。 産まれたばかりの羊さんにミルクをあげることも…
平家物語は「徒然草」の中で、後鳥羽院(在位1183~1198)の頃、信濃前司行長(しなののぜんじゆきなが)が作り、僧に語らせたと言われている軍記物語です。 語り物であったことから、あるリズムを持って語られ、歴史的事実であったことから、女性的なものは排除…
「孟母○○」の○には何が入るでしょう。 そう聞かれたら、孟母三遷(もうぼさんせん)ですよねぇ。 孟子の母が良い環境を求めて引っ越し、3回目に学校の側に家を遷(うつ)したら、子どもの教育に良かったということから、言われているのは有名です。 今でも、例…
心に思ふやう、親の、宝買ふに隣の国へやりつる銭を、亀にかへてや(止)みぬれば、親、いかに腹立て給はんずらん。 心の中で思うには、親が宝を買うために隣の国へ持って行かせたお金を、亀に換えておしまいにしてしまったのでは、親はどんなに腹をお立てにな…
セネカの本を推薦(すいせん)する書評を読みました。 勉強不足で存じ上げない本でしたので、ちょっと調べてみました。 セネカは暴君ネロ(37~68)の頃の政治家、哲学者です。 セネカの「人生の短さについて」を取り上げている松原望先生のホームページを拝…
宇治拾遺物語では、動物の報恩のお話が多いです。 これは亀のお話です。 昔、天竺の人、宝を買はんために、銭五十貫を子に持たせてやる。 昔、天竺(インド)の人が、宝を買う為に、五十貫の銭を子に持たせて行かせた。 大きなる川のはたをゆくに、舟に乗りた…
先日、近所のスーパーでお買い物をして、レジに並んでいた時のことです。 私の前には、少しお年を召した方が精算をしていました。 途中、何度もこちらに目を遣(や)っていらっしゃるのです 「もしかして、急いでほしそうに見えるのかなぁ。」 はっと、そう気…
顔の左にあるこぶを取ってもらおうとやって来たおじいさん。 さて、どうなることでしょう。 よこ座の鬼「こちまゐれ。とくまへ。」といへば、さきのおきなよりは天骨もなくおろおろかなでたりければ、 頭の鬼は「こっちへ来い。早く舞え。」と言ったところ、…